51.寂しい二人
「ねえ、カイ?なんでバーテンやってるの?」
「話すって言ってたよな前、長くなるけどいい?」
「うん、聞きたい」
カラオケを出てぶらぶらしながら話を聞く
「俺は小3まで父親に育てられてたんだよ。それまでは母親がどっか行ってて、どこにいたのかは今も知らねえんだけど。その俺の父親はさ、ホストやってたんだ。それで、俺が生まれて金もたまってたからバー経営して今もずっと。」
「それで、俺はその手伝いしてバイトしてる。小3の時いきなり母親が現れてさ、父親は毎日家に帰ってくるわけじゃねぇから小3からは母親とふたり暮らしだった、、って話ごちゃごちゃだな。」
「話してくれてありがとう。なんか、、、なんか上手く言えないけど、カイ大変だったよね?」
「大変だったのかなー。わかんねえけど、、お前もさ、なんかあるだろ?携帯持ってないとか今時なんか理由あるだろ」
「んー。あんまりこの話したくないけど、カイに変に思われたくないし」
「言ってみ?」
「あたし、小3から施設で育ったの。今も。いきなり預けられて母親とはもう、、小3から会ってないの」
「まじ、、まじで?おまえ辛かったんだな。これからは俺に頼れよ?」
「うん、ありがとう。カイもね。」
少し悲しい気持ちになったけど、お互いのことをやっと知り合えた気がして嬉しかった