23
入院して3日目の夕方
あたしは寝ていた
音楽が聞こえる。洋楽?
「うみ、起きろ」
目を開けるとカイがいた、、、。
「カイ、怪我なかった?」
「おう。ごめんな、何もできなくて」
まつ毛の長い綺麗な目が揺れてる
薄い唇を噛んでるカイは、下を向いてる
「唇噛まないで」
「あの時一緒に帰っていたら、おまえのこと守れたのに」
「十分守ってもらったよ?あたし、カイが走ってきてくれたから、刺されても安心してたんだよ?あぁ、もう大丈夫だって。あのままカイが居なかったら殺されてた。それだけじゃない、毎日毎日カイがいたからあたしは生きてる。大げさ?そりゃそうだよ。あたしは一人だったんだから、カイがいなきゃ一人だったんだから。」
カイが立ち上がって
あたしを抱きしめた。