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目がさめると病院だった
施設のおばちゃんがあたしを見つめていた
「海、大丈夫?あんた、何があったん、、。」
「いやぁ、、、あたしが傷つけたから、仕方なかったの。痛かった。いや、あたしが、わからんでもさ、怖くて、あ、いやでもね、なんか本当に」
「無理しなくていいよ、、、。遼野くん?と瀬戸くん?どっちがあんたを刺したの」
「瀬戸くんだよ、ヨシだよ。うん。瀬戸ヨシだよ」
警察がメモをとる
というか警察が居たことにびっくりした。
頭が朦朧とする
おばちゃんがあたしの手を握る
ヨシくんとカイは別の場所で事情聴取を受けている。
「たしかに、瀬戸さんがあなたを刺したのですか?ナイフは持っていましたか?」
「はい。瀬戸さんです。歩いて来た時から持っていました。」
こんなやりとりがずっと続いた
全治3週間だった。
カイにありがとうって言いたい
カイがいなかったら殺されていたかもしれない。
この時の記憶は少し薄れていて、今でもたまに思い出す
だけど何故かトラウマじゃない
ヨシくんは私を殺すつもりはなかったそうで、ただ、好きすぎて手放したくなくて、新しい男ができたと勘違いして、許せなくて、傷つけたかったらしい
彼を追いやったのは、私で
私はこれ以来、むやみに男性に近づくことをやめました。
やっと、人を傷つけたらだめだと分かった
怖かったし、今も軽の車は苦しい気持ちになる。
あの頃は少し精神的に弱く、朦朧としていた
だから、よかったのかもあまり記憶が鮮明じゃない
トラウマになっていないのは
あの時カイがそばに居てくれたからかな。