カイとあたし6
その場では誰も犯人を言い出さなかった
けど、年下のアンちゃんが後から
「あれリカちゃんだよー、ユキくんのこと好きなんだって」
と言われた
なんでユキのこと好きなのにプレゼントを隠して困らせるのかさっぱりわからなかった
さすがに中学生になってから、あたしへの
嫉妬
って理解した。
施設に預けられて一年たった、梅雨の6月
待ちに待った
毎日泣いて毎日願った父が来た
あぁ、むかえにきてくれたんだ、、
そう思った
「ごめんな、お父ちゃんまだおまえと一緒に暮らせないんだ」
なんで?良い子にしてたよ
あたしは泣き叫んだ
ただ泣いて喚いて
でもお父さんは、行ってしまった
さよならの理由も教えてくれないまま
夜になると母の夢を見る
母はあたしがいなくても幸せなんだな
ってずっとずっと考えて。